プロジェクトメンバー日誌

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2020.2.4
【切り絵アーティスト ヨッシー】
メンバー日誌

ホームページ担当の真坂です

 


 

今回のブログは・・・

【切り絵アーティスト ヨッシー】さんをご紹介します!!

当院のデイケアに通っていた方なのですが、とにかくスゴイので、ぜひ見てください!!

 

(文章は主治医の東海林先生と担当作業療法士の石塚さんにお願いしました)

 


 

ヨッシーさん(仮名)は、生まれつき得意なことと苦手なことがはっきりしていました。

中学に入学した頃から集団の中にいると息苦しさを感じるようになり、「学校」という場所にいることがしんどくなってきました。一学期はなんとか登校していましたが、夏休み明けから学校に行こうとするとお腹が痛くなったり、過呼吸を起こすようになり、学校からの勧めで当院の子ども思春期外来を受診しました。家族の理解もあって学校に行くことを無理強いしないで過ごしたところ、徐々に次に動き出すエネルギーが溜まってきました。日常に「退屈さ」を感じ出したので、家以外の場所で過ごすことも検討しましたが、まだ「学校」は彼にとってハードルが高過ぎます。長く家に引きこもっていた方々には、本来の自分を取り戻す為に「家と社会の中間的な居場所」が大切なのです。

手先が器用で物を作るのが大好きなヨッシーさんに向いている場所として、主治医はデイケアを勧めてみました。

 

 

ヨッシーさんは学校から離れていたために、昼夜逆転した生活を送っていました。
その生活の立て直しと、閉じこもりがちな世界を外に広げていく自己表現の機会の獲得を目標にデイケアスタッフは彼に関わっていきました。
最初にデイケアに来た頃は、親御さんから離れず、何か聞いても黙ってしまう姿が印象に残っています。
前述の通り得意なことと苦手なことがはっきりしているヨッシーさんはデイケアでの活動にあまり興味を示しませんでした。しばらくは、ショートケアでの約3時間を何をして過ごすか一緒に試行錯誤する期間が続きました。
運動不足解消にバドミントンをしたり、手先の器用さを活かしてウッドクラフトをしたり、催し用に大量にクッキーを焼いたりと様々なことに一緒にチャレンジしました。
デイケア利用を繰り返し、彼は徐々に人との交流に慣れ、自分らしさを発揮できるようになっていきます。
そんな中で出会ったのが”切り絵”でした。最初は市販のテキストから始め、キャラクターをモチーフに創作できるまでみるみる腕を上げていきました。
その切り絵のボランティア(公共施設の装飾)を機にヨッシーさんはデイケアを卒業していくのですが、そのボランティアはご家族が地域で見つけてきたものでした。身近にワーカーさんがいる素敵な家庭だなと感じた記憶があります。

思い返せば、彼と出会ったのは私が新卒ホヤホヤの4月でした。右も左もわからない私を鍛えてくれたのは逆にヨッシーさんだったように感じます。
また、彼を中心に立ちあげたデイケアの思春期プログラムは現在も続いています。
彼が巣立っていった跡にはしっかり道が残っているんだなとこの原稿を書きながら感慨深く感じています。

 

 

(店名は出せないのですが、鶴岡市内のあるお店の窓一面に作品が展示してあります)

 


 

いかがですか?

とても素敵な作品で、その上大作!!

デイケアに通っていた方が得意なことを見つけ、社会で認められ活躍している一例です

 

ほかの患者さんだけではなく、当院のスタッフにも大変励みになる出来事でした

 

 

最後に、快くブログ掲載の許可をくださったヨッシーさん、ご家族に感謝いたします

 

ありがとうございました!

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