プロジェクトメンバー日誌

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2016.2.18
放射線はどうやって測る?
メンバー日誌

福島の原発事故以来放射線について関心が高まっているようです。個人でも測定器を購入し放射線を測定している人もいるくらいです。実は放射線を直接測定することはできません。ではどうやって放射線を測定しているのでしょうか。放射線は、空気を電離する能力があります。電離ってなにか難しいように思われますが、イオンを作る作用のことです。放射線はマイナスとプラスのイオンを同時に作ります。電気を帯びている分子をイオンと言います。測定器の中に空気を入れて電極がお互いに触れないようにプラスとマイナスの電極を下図左のように作ります。電極には電池で電圧をかけておきます(ただスイッチを押すだけ)。放射線が測定器に入ると中の空気(図では気体と記載)を電離するために、マイナスイオンはプラス側に集まり、プラスイオンはマイナス側に集まります。そうするとと測定器に電流が流れます。放射線の量が多いほど多くの電流が流れます。電流を測ることで間接的に放射線量を知ることができます。ちなみに昨日ホームセンターから下図右のような放射線測定器を買ってきました。放射線測定器は通常数万円から数百万円位しますが、これは2800円(税別)です。どうせ”おもちゃ”だろうと思って使ってみたら、その精度に驚きました。安価(いいかげん)なものですと、校正もせず、感度も低いのですが、この測定器はきちんと校正しており、高感度です。校正というのは国で定めた標準値に合わせることを言います。この測定器で測ってみたら、当センター内の放射線量は0.09μSv/h位(毎時0.09マイクロシーベルトと読みます)でした。これは日本の平均値位です。

電離箱原理図IMG_1036

放射線専門員 小野

 

 

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