5/30 仙台で第32回動態核医学研究会にて研究発表をしてきました。動態核医学とは脳とか心臓などいろいろな器官、組織の機能を放射性医薬品を用いて診断や治療をする学問です。今回はParkinson病における交感神経と線条体機能の連動性について発表してきました。交感神経機能はMIBG(metaiodobenzylguanidine)の心集積の程度により評価します。(図1)MIBGはノルアドレナリンとほぼ同じ挙動をします。また線条体機能はiofulupaneの線条体集積の程度により評価します。iofulupaneはdopamin transporter DATと呼ばれドパミントタンスポータと結合します。(図2)ドパミンは脳の線条体に高発現しますので、DATは線条体に集積します。ドパミンはドパミンβ水酸化酵素によりノルアドレナリンになりさらにアドレナリンになります。ドパミンとノルアドレナリンは共鳴しあう形でどちらかが活性化されればもう片方も活性化されます。もちろん逆もあります。Parkinson病にて心交感神経MIBG集積とDAT線条体集積を比較したところ双方に有意な正の相関が得られました。(図3)これにより末梢の交感神経障害と中枢の線条体機能の連動性が示唆されたと考えられます。もちろん研究会では他の多数のデータも提示しております。
診療放射線専門員 小野