現職に就くと決まった際に医療観察法病棟の師長に任命され、正直不安と戸惑いを感じました。しかし現在は師長という役職に就いてみてスタッフの育成、多職種とのチーム医療の促進、他部門・外部関係機関と組織横断的に連携・調和し、病棟という組織を管理統括していく醍醐味を感じています。なによりもスタッフが明るく、意欲をもって働ける職場を作る事を常に目指しています。
パラリンピックは障がい者スポーツの祭典ですが、精神だけは参加する事すら認められてきませんでした。そういう意味でも精神障がい者は、社会的偏見とスティグマを感じ、他者から称賛されるという経験が少ない傾向にありました。患者一人ひとりが自らこれを克服するために、スポーツを通して成功体験を味わい、自己肯定感に繋げ、エンパワーメントし生活しやすい環境を自分自身の力で獲得できるようになって欲しいと考えています。「すべての患者に何らかの運動にかかわってもらいたい」当院の院長の方針です。現在、私は当院の患者対象のフットサルチームに深く関わっています。ひきこもりがちで他者とのコミュニケーションを苦手としていた若者が、ゴールを決め、他の選手から祝福されて笑顔を見せ、自ら声を出してボールを呼び寄せている姿を見ると、この仕事にやりがいと希望を感じます。
私にとって山形県立こころの医療センターとは、神聖で凛とする場所でありつつも、ほっこりするオアシス的な要素がある大切な場所だと思っています。また、今までの隔離・収容型の鶴岡病院から地域に根差した、ハードルが低い県民から愛されるセンターに変わったことが当センター最大の魅力です。職種、地位に関係なく同じセンターで働く仲間として一致団結してチーム医療を推進し、患者さんのために汗をかくことができる人、そう、あなたです。手を取り合いましょう!(笑)