元々は東京都内の飲食店で調理をしていて、地元に戻って来るということで、たまたま総合病院の採用試験があり採用になったというのが最初のきっかけで、異動などあり「こころの医療センター」に就いたというのが正直なところです。作ることが好きというだけで病院の食事は『食』という共通点以外は飲食店とは180度違うと言ってもいいほどの1からのスタートでした。新病院ということで業務的には手探り状態なことも多く大変でしたが、チームとしての一体感は生まれたと思います。
病院の食事は、レストランのような、特別な人と特別な時間やシチュエーションで食事するような料理ではありません。どちらかというと家庭料理のようにいつ食べても飽きない食事だと思います。朝 昼 夕決まった時間に提供し、普通に食事をしてくれて、フッとした時に「あの料理、また食べたい」なんて思ってもらえたらそれだけでありがたくやりがいを感じます。それと、病棟などで配膳してくれるスタッフさんなどが「美味しそう」なんて言ってくれるのを聞くと嬉しく感じますね。これからも、これまで以上に栄養士と献立の知識の共有を深め、より安心安全安定のアンサンブルで身体に良い食事作りに努めていきたいと思います。病院の食事でも「美味しい」以上に「最高に美味しい」と思ってもらえるように努力していきたいですね(笑)
自分にとって、「こころの医療センター」はOFFからONのスイッチを入れてくれる場所です。そこから、ソフト ノーマル ハードと色んなギアチェンジをしながら回転し、その時々の状況に応じた食事提供をしています。その中で、まだまだ発見もあり学ぶこともでき、初心を忘れてはならないと思う場所です。そして何より、高い意識をもったプロフェッショナルなスタッフが多数いる「こころの医療センター」ですが、全体はどこかアットホームな雰囲気をかもし出している、誰にでもオープンなところが魅力です。
「こころの医療センター」の食事は家庭的な中にもその時々の季節や旅行に行ったような気分になるメニューも盛り込んだ御膳などもあり、調理していても勉強にもなり面白いですよ。『食』とは人に良いと書きます。人に良い食事を提供する以上は、作り手側の調理師が良い人でなければならないという意識を持っています。それは、ただ単にイイ人ということだけではなく、自分自身が心身ともに健康で良い状態を保ってなければならないと思って、これからも仕事に取り組んでいきたいです。自分自身が食べるのが好きで、食に対して探求心がある人、そして広い視野と聴く耳を持てるような人と一緒に働きたいですね!