山形県立こころの医療センターの前身となる山形県立鶴岡病院は、昭和27年山形県立療養所 金峰園として鶴岡市高坂地区に開設され、昭和40年代に山形県立鶴岡病院と改称し、増改築等整備を行いながら、県内唯一の公立精神科単科の病院として、また、庄内地域の精神科医療の中核病院として約70年その役割を果たしてきました。
開設当時は、統合失調症や躁うつ病等の精神病の入院治療が主体でしたが、近年は、うつ病、子どもの発達障害や心の病、また高齢化を反映した認知症の周辺症状への対応等、精神科医療に求められるものが多様化し、治療も入院から外来に移行してきました。そのため、鶴岡病院の施設は、老朽化や狭隘等、そして精神医療を取り巻く環境の変化に対応するためには不十分となってきました。
このため、山形県では鶴岡病院を改築整備することとし、平成20年3月に専門家や関係者の意見を踏まえ、「山形県立鶴岡病院改築整備基本計画」を策定し、平成21年3月より具体的な施設整備に向けた基本的内容を「山形県立こころの医療センター(仮称)新築工事基本設計」として取りまとめました。
その後、平成25年度より鶴岡市茅原地区において建設工事を開始し、平成27年3月9日、山形県立こころの医療センターとして開院しました。
新病院は、交通の利便の良い場所に移転し、精神科救急専門病棟や、子どもの心の病や、うつ病等の専門病棟、医療観察法病棟等を整備しています。