東海林:金野先生は早くから当院での後期研修を意識して、初期研修も鶴岡市内の基幹病院を選択し、初期研修医時代から当院で比較的長期間勤務してくれました。それだけに精神医学への熱意は人一倍高く、幅広い分野に関心を持って研修してくれています。人当たりは非常にソフトで患者さんやスタッフからも親しみをもたれやすい面と、かつての研修病院では「鬼神」の二つ名で呼ばれていた情熱的な面が混在している若手医師です。週末は釘の角度や確率計算の研究をフィールドワークで実践されているようです。
東海林:東戊辰戦争で奥羽越列藩同盟として新政府軍に最後まで抵抗を続けた二大藩が会津藩と庄内藩。会津出身の彼がここ庄内の地で研修をスタートしたことは運命としか言いようがありません。会津人らしく口数少なく朴訥な人柄は、彼の診療スタイルによく表れています。どんな困難な症例に遭遇しても決して弱音を吐かず、粘り強く寄り添う姿勢に救われた患者さんやご家族は多いのではないでしょうか。普段の穏やかな人となりとは対照的に、週末はテニス、ソロキャンプ、サイクリングなどアクティブに過ごす姿はスタッフには意外に映るようです。
東海林:「龍ちゃん」の愛称で親しまれる彼を一言でいうと「筋肉」。精神科医では珍しい体育会系です。大学時代にハンマー投げで鍛え抜かれた野獣のような肉体は現在も週3回のジム通いで現在進行形で発展途上です。それとは対照的な子どものような「龍ちゃんスマイル」はご両親の愛情をたっぷり受けてまっすぐに育ってきた証だと思っています。児童精神医学に興味を持つ彼は児童思春期病棟で、子どもたち相手にいつも全力で遊んでくれて、彼が病棟に行くとたくさんの子どもたちが彼の元に寄ってきます。これも児童精神科医として大切な資質であると私は考えています。