プロジェクトメンバー日誌

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2015.9.1
核医学技術学会で発表してきました
メンバー日誌

8月29日から岩手医科大学にて開催された日本核医学技術学会第21回東北地方会で研究発表を行いました。   簡単に発表内容を紹介します。                                   Parkinson病およびレビー小体認知症では交感神経が障害されます。α-シヌクレインという140個のアミノ酸からなる異常タンパク質がレビー小体の正体といわれています。Parkinson病、レビー小体認知症では心外膜神経のthyrosine hydroxylase (TH)陽性繊維数が著明に減少します。(下図、正常やアルツハイマー病ではTH陽性繊維数の減少は見られません)。おこらくα-シヌクレインの発現が原因と考えられます。その結果心交感神経の軸索が障害されるためmetaiodobenzylguanidine(MIBG)の心臓への集積が阻害されると考えられます。MIBGはnorepinephrineのアナログであり交感神経終末の貯蔵顆粒にATPの存在下に能動的に取り込まれます。正常の人ではMIBGの心集積は投与からほとんど変化しないのですが、Parkinson病やレビー小体型認知症ではその重症度に応じMIBG投与から心集積が徐々に低下することがわかっています。ですからMIBGによる心交感神経の検査は投与直後と4時間後の2回の撮像をして各々の画像でMIBGの集積を評価するのが一般的です。小生の検討により重症化すると心臓へまったく集積しなくなり(下図)継時的変化を認めないことがわかりました。したがって投与直後でMIBGの心集積が低下している場合はその時点で検査を終了しても構わないと言えます。

TH MIBG Heart

図上段左:正常 図上段右:AD

図下段左:PD  図下段右DLB

放射線専門員 小野

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