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2024.11.15
検査科放射線です
メンバー日誌

検査科放射線です。

 

今回は、日常的に耳にすることが多くなってきた認知症と放射線検査の関係性についてお話していきたいと思います。

 

日本では、高齢化が進んでおり、年齢を重ねるほど認知症を発症する可能性は高くなります。そんな状況の中で、放射線検査が認知症かどうかを診断するためにできることは、CT検査やMRI検査、核医学検査です。CT検査とMRI検査は脳を輪切りにしたような画像を撮影することで、脳の萎縮があるのかなどを確認する目的で検査します。核医学検査では、脳の働きが悪くなっていないかなどを確認することできます。さらに核医学検査では、アルツハイマー型認知症(一般的な認知症)とレビー小体型認知症(全身性の認知症)を鑑別することも可能になります。各検査で得意分野がありますので、検査をする機会があれば医師に聞いてみてください。

また、認知症は加齢が主な原因とされていますが、他の原因でも認知症と似たような症状が出る場合があります。それは脳室に過剰な髄液が貯まること(水頭症)や頭部外傷(慢性硬膜下血腫など)によって脳が圧迫されることで引き起こされる疾患です。このような脳の器質性疾患(感染や炎症、血管障害、変性疾患などで細胞や組織が破壊され変換を受け、症状として現れる疾患)がないかを確認するため、当院では、認知症が疑われる場合にCT検査を実施しています。合わせて長谷川式簡易知能評価スケールやMMSE(ミニメンタルステート検査)といった認知能力を評価する検査を実施することで複数の観点から認知症の診断を行っています。

認知症が疑われる場合でも、治る可能性のある認知症も存在します。また、認知症では家族のサポートも必要になります。何かおかしいと思うようなことがあれば、お一人で悩まずに、かかりつけ医や地域包括支援センターへ気楽に相談してみてください。

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「画像出典:メジフィジックス株式会社/認知症診療に脳SPECTを活かす!/レビー小体型認知症と原因鑑別が必要な病気の画像所見

https://www.nmp.co.jp/member/ninchisho/factor/02.html

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