プロジェクトメンバー日誌

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2016.3.24
放射性セシウムについて
メンバー日誌

先ごろ山形県内の土壌中の放射性セシウム量が測定されました。ここでいうセシウムとは137Cs(セシウム137)のことです。蔵王で670Bq(ベクレル)、置賜81Bq、村山193Bqなどでした。では放射性とはなんでしょうか。放射線を出す物質を放射性またはその能力を放射能といいます。ですから放射能も放射性も同じことです。不安定なものは安定になろうとするのが自然界の原則です。放射性物質は不安定で高いエネルギー状態にあります。ですから安定になるために持ち余るエネルギーを放出します。そのエネルギーのことを放射線と呼んでいます。放射線を出し切ったら安定になります。137Csは放射能を出す力が半分になるのに30年かかります。それを半減期と言います。通常半減期の1.5倍が放射能の寿命になります。ですから137Csがなくなるまでは45年かかります。ちなみに核燃料のウラン235(235U)の半減期は7億38万年です。でも中性子をぶつけると一瞬でなくなります。そのときに膨大な熱エネルギーが放出されます。その熱で発電機を回すと原子力発電になります。では放射能の単位であるBq(ベクレル)とはなんでしょうか。これは放射物質の原子1個を1ベクレルと言います(だったら何個と言った方がわかりやすいのに)。食品中に含まれる放射性セシウムの基準値が国から出ています。(下表)これによると一般食品では100Bq/kgが基準値、すなわち摂取しても安全という数値です。この安全とは何かというとこの食品を毎日1kgずつ365日食べ続けても1年間に1mSvの被ばく超えないというレベルです。例えば牛肉1kgに100Bqのセシウムを含んだとしてそれを毎日調理しないで生のまま365日食べ続けても安全というレベルです。別の意味で不健康になりそうです。熊の肉にも適用されます。誰が熊の肉を毎日1kgも生で食べ続けるのでしょうか。ちなみにセシウム100Bqの重さを計算すると約1兆分の1gになります(下計算式)。セシウムは133Csという形で自然界に存在します。融点が低く30度位で燃えます。その炎の色が濃い空色を呈すことから碧空と呼ばれています。碧空をラテン語でセシウムと言います。

食品中セシウム基準値 セシウム100Bqの質量

放射線専門員 小野

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